学術論文の書き方 ー 基本ルール ー

論文作成術

研究者は新しい情報を世の中に配信しなければなりません。

そのツールとして、学会発表や論文執筆があります。

そのため、文章を書くスキルが必要不可欠です。

一方で、書くことに慣れていない若手研究者の方は、教授や先輩に文章の書き方を指摘された経験があるのではないでしょうか。

そこで、こちらの記事では、正しい文章を書くための基本ルールとコツをご紹介します。正しい方法を理解し、わかりやすい文章のスキルを身につけましょう。

正しくわかりやすい文章とは

書き方を学ぶ前に、正しい文章の定義を明確にしましょう。正しくわかりやすい文章とは、起承転結が明確であること、そして小学生でも理解できる書き方であることです。

まず、起承転結が明確であると、ストーリー性のある文章になります。「起」で読み手を惹きつけ、「承」は「起」について深掘りします。「転」では、最大の山場で読み手の注目を集め、そして「結」で締めくくります。

ただし、学術論文の場合は、起承転結の流れに該当しないことがあります。学術論文は内容を正確かつ効率的に伝えることが重要であり、冒頭で結論を述べる必要があるからです。

次に、小学生でもわかる書き方であると、内容を理解しやすくなります。過剰に難しい言葉を使うと、読み手は言葉を理解することに注力し、文章を読み進めることができません。

わかりやすく伝わりやすい正しい文章の書き方

正しくわかりやすい文章の定義をおさえたところで、ここからはその書き方をご紹介します。正しい文章の書き方は、以下の4点です。

  1. 伝える目的を明確
  2. 主張の根拠となる情報収集
  3. 伝えたいことを伝えるための文章構成
  4. 伝えたい相手になりきって執筆する

では、それぞれのポイントを詳しくご紹介します。

伝える目的を明確

伝える目的を明確にすることです。目的を明確にすることで、目的に沿った伝えるべき情報と文章の構成が決定できます。その結果、読み手にとってわかりやすい文章になります。

学術雑誌は、伝えるべき情報は、結果や結果に対する考察です。そして、もっとも使えたこと冒頭で結論を書く構成にする必要があります。

主張の根拠となる情報収集

主張の根拠となる情報を集めることです。根拠がないと、説得力のない文章になってしまいます。学術論文の場合、レビューアや読者を納得させるために、過去の研究や調査報告を提示することで、説得力のある文章にすることができます。

ただし、根拠となる情報と意見を混同しないように注意しましょう。

意見は書き手の主観であり、意見を根拠にしても、読み手が納得する文章になりません。

伝えたいことを伝えるための文章構成

文章構成をつくることです。文章の構成をつくってから執筆することで、読み手に伝わりやすい文章が書きやすくなります。上述のように、文章の書き方の基本構成である起承転結を意識すると、読み手はつまずくことなく読み進めます。

ただし、学術論文の場合は、事柄を簡潔に伝える必要があるため、三段構成が最適です。なぜなら、学術論文の役割とは、情報を正確かつ簡潔に伝達することだからです。

最後まで読み進めないと結論がわからない起承転結は学術論文に最適とは言えません。

伝えたい相手になりきって執筆する

伝えたい相手になりきって執筆することです。難しい言葉は読み手に余計な負担をかけてしまいます。

また、最近では、「ロックダウン」や「クラスター」など、読み手が理解に苦しむ可能性があるカタカナ語を使用する方も多く見られます。

読み手の負担となるような言葉やカタカナ語はできるだけ使用しないようにしましょう。

文章力を上げるためには?

文章力は基本中の基本を徹底

まずは、文章の書き方の基本ルールをおさえましょう。基本ルールは、以下の3点が挙げられます。

  1. 主語と述語を対応させる
  2. 一文は短く簡潔に
  3. 結論を最初に書く

文章の書き方に苦手意識がある方は、まずはこの3点を意識することから始めましょう。

主語と述語を対応させる

基本ルールの1点目は、主語と述語を対応させることです。

具体例で見てみましょう。

例1:私の特技は、歌を歌うことであり、よく友人に披露します。

この文章では、主語が「私の特技は」であるのに対し、述語が「披露します」になっています。「特技は〜します」は、主語と述語が対応しておらず、正しい文章ではありません。この場合は、例2のように「特技は〜です」と主語と述語を対応させましょう。

例2:私の特技は、歌を歌うことです。よくその歌を友人に披露します。

一文は短く簡潔に

基本ルールの2点目は、一文を短く簡潔にすることです。

具体例で見てみましょう。

例1:私の特技は、歌を作り、プレゼントすることであり、友人の誕生日に歌を披露すると喜ばれます。

例1のように、長すぎる文章は読みにくくなります。長すぎる文章は、例2のように2文に分け、簡潔な文章にしましょう。また、一文を短くすることで主語と述語が対応しているかわかりやすくなります。

例2:私の特技は、歌を作り、プレゼントすることです。友人の誕生日に歌を披露すると喜ばれます。

結論を最初に書く

基本ルールの3点目は、結論を最初に書くことです。

特に、学術論文で意識すべき基本ルールです。なぜなら、学術論文は、いかに早く情報を理解できるかが重要であり、結論を冒頭に置くことで瞬時に内容を把握できるからです。具体例で見てみましょう。

例1:蛍光ガラス線量計は低エネルギー依存性があるが、専用のフィルタを用いることでその依存性は解消されてるが、感度の方向依存性が発生する。しかしんがら、蛍光ガラス線量計は医療領域における散乱線測定に有用である。

例1の結論は、蛍光ガラス線量計は使用できることを述べていますしかし、文章を最後まで読まないと蛍光ガラス線量計が使用できるがわかりません。

この場合は、例2のように冒頭で結論を述べ、そのあとに詳細を記載しましょう。

例2:蛍光ガラス線量計は医療領域の散乱線測定用いることが可能である。

しかしながら、専用のフィルタを用いことでエネルギー依存性は解消されるが、感度の方向依存性が発生するため、使用には注意が必要である。

質の高い文章を書くコツ

基本的な文章の書き方をおさえたところで、次は質の高い文章を書くコツをご紹介します。文章を書くコツは、以下の4点です。

  1. 箇条書きを活用する
  2. 「〜ということ」「〜である」はなるべく使わない
  3. 同じ文末表現は続けない
  4. 相手に合わせた表現にする

基本的な文章の書き方に問題がない方は、次にこの4点を意識しましょう。では、それぞれのコツについて詳しくご紹介します。

箇条書きを活用する

文章を書くコツ1点目は、箇条書きを活用することです。

具体例で見てみましょう。

例1:このお酒は、添加物や香料が配合されていないため、アレルギーの方におすすめです。さらに、価格も安く、全国のスーパーで購入できます。

商品の特徴を書くと、長々とした文章になります。この場合は、例2のように箇条書きを活用することで、簡潔にまとめることができます。

例2:このお酒の特徴は以下の通りです。

・添加物、香料不使用

・アレルギー向け

・リーズナブル

「〜ということ」「〜である」はなるべく使わない

文章を書くコツ2点目は、「〜ということ」「〜である」の過剰な使用を避けることです。これらの言葉を使用すると、に文章が長くなってしまいます。具体例で見てみましょう。

例1:みんなの認識を上げるということが重要です。

この文章の場合は、「〜ということ」がなくても意味が通じるため、「みんなの認識を上げることが重要です」と簡潔にまとめましょう。

例2:食品の大量廃棄の原因は、コンビニやスーパーの過剰な生産であることです。

例2も「〜である」は不要のため、「食品の大量廃棄の原因は、コンビニやスーパーの過剰な生産です」に変えましょう。

同じ文末表現は続けない

文章を書くコツ3点目は、同じ文末表現を避けることです。

具体例で見てみましょう。

例1:このお酒は、添加物を使用していないため、アレルギーの方におすすめです。また、リーズナブルな価格のため、コスパ重視の方にもおすすめです。

例1では、2文とも「おすすめです」で締めくくられています。同じ文末表現を繰り返すと、文章のリズムが悪くなります。この場合は、例2のように違う言葉に変えましょう。

例2:この商品は、添加物を使用していないため、アレルギーの方も飲むことができます。また、リーズナプルな価格のため、コスパ重視の方にもおすすめです。

文章の書き方の本を読む

論理的な文章力が身につく「入門 考える技術・書く技術」

ロジカルライティングを徹底したい方は、こちらの本がおすすめです。こちらは、ロジカルライティングの代表作である「考える技術・書く技術」の入門書であり、報告書や企画書など、ロジカルシンキングの方法を中心に紹介されています。

理科系の作文技術

理系の文章作成方法の基礎が書かれています。学術論文の基礎を学ぶにはおすすめです。

まとめ

文章の書き方についてご紹介しました。正しくわかりやすい文章とは、起承転結が明確であり、誰にでも理解できる文章であることです。

わかりやすい文章を書くためには、

  • 伝えたいことと相手の明確化
  • 主張の根拠となる情報の収集
  • 構成の作成
  • 読み手になりきって執筆

また、読みやすい文章にするためには、言葉遣いや表現方法にも注意しなければいけません。

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