今回の記事は、Natureの公式の論文要項の書き方です。
博士課程に在籍して感じることは、短い文章を決められた字数(250 〜 300 words)以内で作成するアブストラクトが一番難しいと感じています。
意外に長い文章を書く方が簡単です。
指導教官には論文や研究計画書の文章に、自身のオリジナリティーは必要ない型をマスターすることで、自ずとオリジナリティーが表れると指導されています。
そこで、今回はとても参考になるNature公式の論文要項の書き方をご紹介します。
↓Nature日本法人の方で作っているPDFです。↓
目次
Nature創刊の趣旨
1869 年(明治 2 年)の創刊時に Nature は下記のような「創刊の趣旨」を掲
載しました。この趣旨は、144 年たった現在もなんら変わることなく生き続け
ています。また、創刊号の表紙には、19 世紀の自然派詩人ワーズワース(1770 〜
1850)のソネット第 34 番の一節が引用されています。
「創刊の趣旨」
第一に、あらゆる科学分野における重要な研究成果を迅速に掲載することで研究者を支援すると同時に、科学関連のニュースや問題を報告し、議論するためのフォーラムを提供することです。
第二に、研究成果について、その学問的意義や文化的意義とともに、身近な生活にどのように関わっているかを解説し、世界中の読者に速やかに伝えることです。
To the solid ground Of Nature trusts the mind which builds for aye.
— WORDSWORTH
永とわ遠に続く真まことの詩は自然を礎いしずえにしなくてはならぬ
Natureの特徴

Natureに掲載にできる論文は投稿のわずか8%です。
赤いチャートで示された掲載数は一定で,投稿数は増えているので,必然と論文掲載率はかなり低い割合になってます。
カバーレターの重要性
投稿にあたっては、なぜ論文の結論が科学的に重要な進展をもたらすのか、そして論文がなぜ他の専門誌ではなく Nature にふさわしいのかを簡潔に述べた「カバーレター」を付けてください。その中で、それぞれ 100 語程度で、本誌の読者(主に科学者あるいは科学関係の専門家)にとっての当該研究の重要性を要約し、論文の結論を一般の読者にも理解できるように説明することをお勧めします。
Natureは科学者の編集委員会を持たない独自の判断
学会誌なんてものは,ほとんどその分野の権威な大学に在籍する教授や准教授が担っている場合が多いです.
しかしNatureは,Natureに在籍する編集者が行います
Natureのアブストラクトの作り方
Nature投稿案内の11ページに,アブストラクトの作り方が載ってます.
アブストラクトには導入部、研究の背景、主要な成果、当該分野における成果の重要性、新しい知見の概要などを含んだ、他分野の読者が読んでも理解できるような内容が必要になります。

今回紹介したアブストラクトは300 words 程度です。
アブストラクトは、どの雑誌にも投稿しても同じ内容が求められます。
そのため、Natureのアブストラクトは最適化されたフォーマットだと思います。
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