「学力向上の鍵は『国語力』向上にある」とは、多くの教育者がそろって唱えることです。理系教科を学ぶにしても、その内容を理解するためには教科書や参考書を読まなければなりません。人間が言葉を使って物事を考え理解することを思えば、その主張ももっともです。
私は医学系大学院博士後期課程に在籍しています。
大学院に在籍していると、大学に提出する書類や抄録、学術論文、研究資金獲得に至まで多くの文章を読んだり、書いたりします。
我々の研究室にて、月に1回行っている抄読会では、基本的に英語論文を用いて行うため、英語力も必要になります。
さらに、我々の研究室は放射線防護を中心に研究しているため、数字を読み解く力、測定器の特性に至まで多くの文章に触れて活動をしています。
この4年間で感じたことは、数学や英語、物理などの根本には国語力(現代文)がなくては研究が前に進まないことを実感いたしました。
今回の記事は、国語力の大切さと基礎固めについてです。
目次
すべての勉強の基本は国語力にあり
私の経験から勉強について大切だと考えていることは、すべての勉強の基本は「国語力」にあるということです。
ここでの国語力は、インプットのための「読解力」と、アウトプットのための「表現力」を指します。とりわけ読解力は、すべての勉強における最重要要素です。
なぜ、読解力があるとよいのでしょうか?
その理由は、文章を読んだときに、「書いた人はなにが言いたいのか」「なにが問われているのか」を明確につかめるからです。
この読解力がなければ、相手の質問に的確に答えることもできず、答えにたどり着くまで時間が掛かってしまいます。
これは1分1秒を争う研究の世界では致命的な原因になりかねません。
個人的な経験では、学術論文の査読後にレビューアから返信がやって来ました。この返信文章に対して、この能力が結果を大きく分けると感じました。
レビューアからの質問に対して「なぜこのエピソードがここに書かれているのか」「著者にどんな意図があるのか」といったことを文章から読み取る力があれば、的確に課題をクリアすることができるのです。
「国語力がない」と悩む人もいます。でも、国語力を上げることは決して難しいことではなく、その方法はこれに尽きます。
丁寧に読む。
コツは、本当にこれだけです。国語力が低い人は、自分でも気づかないうちに文章を読み飛ばしていたり、自分の思い込みで意味を補ったりしてしまい、解答が著者の意図と離れていくことがとても多いのです。
私は指導教官から、「国語力が高ければ、英語の基礎学力も向上する」と指導を受けています。
おおむね、私も同意見です。「国語力」が低いと日本語に限らず、英語においても、相手の質問に対して、答えが異なる主張をしている可能性が大いにおることを私は経験いたしました。
これは、英語力が低いためではなく、国語力の問題である程度補えることだと思います。
国語力の基礎固め!!田村の優しく語る現代文の特徴と使い方|読解の型を身に付ける
現代文の基礎固めのために『田村の優しく語る現代文』を用いた学習方法を紹介したいと思います。
この田村の優しく語る現代文をやり遂げれば、MARCHレベルに匹敵する実力がつくと記載されています。
社会人の現代文基礎固めを考えればこの辺りを目指すも悪くはないと思います。
田村の優しく語る現代文の構成

大きく分けて2つの部に分かれています。
第一部では、「どうやって現代文を解いていったらいいのか」や、「問題を解くときに注意すべきポイント」など、入試現代文を攻略する上で大切なルールや考え方、ポイントが書いてあります。
第二部では、実際の入試問題と解説。第一部で身につけた内容を元に、それを実践する場です。
このように、基礎と実践に分かれているのが本書の特徴です。
田村の優しく語る現代文の具体的な勉強方法
現代文の解き方を知る
前半部分の第一部で、現代文の基礎を知りましょう。
ここには、「現代文はどうすればできるようになるか」や、「客観的って何?」など、現代文について何もわからない人にとって、現代文を解くときの掟が書いてあります。
というのも、何度も出てきましたが、入試現代文を解くときには意識すべきルールがあるんです。自分の感情を持ち込まない、本文にのっとって問題を解くなど、客観的に、いつでも安定的に点数を取れるようなルールに基づいて解くことが大事なわけです。
そういった解き方を知らないと、「いくら問題を解いても点数が伸び悩む…」というような現象に陥ってしまいます。
ですから、ここできっちり基礎をさらっておきましょう!
実際に問題を解く
第一部で解き方の”型”を身に付けたら、次はそれを意識した上で実際に問題を解いてみましょう。
個人的には、サクッと基礎を身につけて、あとはそれを活かし染み付かせるためすぐに問題を解くことをおすすめします!
答えと解説を読み、自分の解答の導き方と照らし合わせる
現代文で大事なのは、単に答えが合っているか間違っているか(◯か×か)ではなく、答えの導き方が合っているかどうかです。
「あ、これ合ってる〜!あ、間違ってる〜」という作業だけで終わらせるのが一番もったいないので、「きちんと解説の通りの筋道で答えを導き出せているか?」を確認しましょう。
具体的にどうすればいいか?というと、
1.なぜその問題を間違えてしまったのか?を考える(「ここをこう読み間違えたのか〜」等)
2.犯した過ちをしないよう、次に活かす
一見めんどうで、本当にこのやり方で大丈夫?と思えますが、これが遠回りなようで一番効率的な学び方です。
こういった地味でめんどうな作業が、合格を左右するといっても過言ではないです。
本文の解説を読み、自分の本分の読み方とのズレを確認する
答えの確認も大事ですが、「自分がどう本文を読んでいったのか?」も同じように解説を見ながら確認しましょう。
問題を解くのにあたってもう一つ大事なのは、「適切に文章を読解できているかどうか」です。
ですから、解説を読んで「自分は正しく文章を読めているかどうか?」というのを確認しましょう。これを一つ一つ丁寧に行うことで、確実に実力が伸びていきます
まとめ
今回の記事は理系でも、国語力は必須であり、今後の研究活動を左右するほど重要なことをお伝えしました。
少しでも共感できた方は、この機会に国語力の基礎固めを行ってはいかがでしょうか
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