修論や博論の執筆時に注意!!引用、出典、参考の使い方

論文作成術

修論や博論はもちろん投稿論文などを読んでいると「出典」や「引用」といった言葉を見ることがあります。

論文を書くときには、本やインターネット上の資料を参考にした上で、自分の考えをまとめる作業を行うことがあります。。この場合に参考にした他者の文章や写真、イラスト、図、表、調査データなどは、その出典を参考文献として、レポート・論文の中で明記する必要があります。

他人の文章などをそのまま引用する場合にも、どの部分が他人の文章なのかを
明確に示した上で、出典を書かなくてはなりません。これを怠ると、盗用(=著作権の侵害)ということになってしまいます。

しかしながら、いざ文献の引用しようとしても「出典」や「引用」、「参考」の言葉があり、これらは、何がどのように違うのでしょうか?

目次

「出典」の意味と使い方

故事・成語、引用文、また引用された語句などの出所である書物。典拠。「出典をさがす」「出典を明示する」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%87%BA%E5%85%B8/

自分の書く論文などに他の文献で引用箇所があれば、その文献を「出典」という名目の下にまとめて記します。

論文での「出典」の書き方と項目

出典に書く項目は、書籍の場合には次の順番で書いていきます。提出先である分野や機関によって書き方に多少の違いがありますので、出典を書く前にはその書き方を提出先に確認しましょう。

書き方

表や図に記載する方法が出典や引用、参考異なります。使用する表現に気をつけて記載してください。

出典

出典:XXXSDX,MMXX,(2010), p.12.,

引用

XXXSDX,MMXX,(2010), p.12., [18]のFig.3より引用

参考

XXXSDX,MMXX,(2010), p.12., [18]のFig.3を参考にし作成

書籍

必要なデータ

著者名{編者名,訳者名},書名,{版表示},出版社名,出版年,{巻数},該当ページ,{(シリーズ・叢書名)},{(ISBN)}

  • 共著の場合は、カンマで区切って記すか、最初の1人の著者名のみを記し後ろに「ほか」と記す。
  • {}内は、該当データがある場合のみ記す。
  • 版表示は、初版は略してよい。
  • 図書の一部の場合は、当該部分のタイトルも記す。
  • ISBN は「国際標準図書番号」といって、個々の図書の識別(国名、出版社名、書名)のために 1 冊の本に1つ与えられた番号です。ISBN がわかれば、後からまたその資料を探したくなったとき等に便利なので控えておくようにしましょう(※古い書籍にはついていません)。

Webページ

必要なデータ

著者名〔サイトの運営主体〕、「Web ページのタイトル」、URL、(最終アクセス年月日)

著者名などわからないことがある場合は、その箇所は飛ばしてわかることを出典として書きます。

図の下方に記載します。

出典:環境省、ICRP勧告1990年、https://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat3-01-11.pdf、(最終アクセス、2020年8月17日)

投稿論文

必要なデータ:

著者名「論文・記事のタイトル」『雑誌名』{巻数,}号数,発行年.月,該当ページ.

引用」とは「引用元からそのまま記載すること」

「引用」とは、書籍や資料に書かれている文章を自分のレポートや論文、サイト記事などに用いることです。このときに元となった書籍や資料を「引用元」といいます。

引用するときに大切なことは、元の資料となる文章を「そのままに記載すること」です。勝手に文字や表現を変えてしまうと引用になりません。ただし、旧字体は新字体に改めたことを明記すれば旧字体から新字体に変えることができます。

「出典」は「故事や成句などが元々載っていた文献または書籍」いわば情報元のことで、ここから文章を引っぱって用いることが「引用」という関係です。

「引用文献」とは文書中に記される引用された文献

「引用文献」とは、引用された引用句や引用文が載っている文献のことです。「出典」は引用した文献等のタイトルや著者名などを表した文献を明らかにするための詳細ですが、「引用文献」は引用した文献そのものです。

図の引用する場合

図のタイトル、著者名、引用した文献タイトル、雑誌名、{巻数,}号数,発行年.月,該当ページ.[参考文献番号]よりFig.1を引用

と図の下方に記載します。


Fi.1 労働衛生3管理の考え方,S. Koshi, A Basic Framework of Working Environment Control for Occupational Health in Japan, Ind. Health 34 (3) (1996)  149-165.,よりFig. 1を引用

表を引用する場合

著者名、引用した文献タイトル、雑誌名、{巻数,}号数,発行年.月,該当ページ.[参考文献番号]より[表番号]を引用し作成

と表のフットノートに記載します。

「参考」とは参照する情報の要約

参考」とは参照する情報の要約です。「引用」では引用する元の文章や成句などを勝手に改めてはいけませんが、「参考」では自分の言葉に置きかえてその内容をまとめて要約します。

また「参考文献」とは参考にした情報が載っていた書籍や文献、新聞などのことです。

「パクリ」とは盗用の隠語

著作権に関わる「パクリ」とは、盗用を意味する隠語で、オリジナルとなる文書などの模倣として認められた文書のことです。

「パクる」などとも呼ばれ、元の文書表現を自らの文書表現のように表すことで著作権の侵害になります。

まとめ

「出典」とは引用箇所が掲載されていた引用元である文献や書籍のことです。公式な文書で引用箇所があった場合には、出典を記さないと著作権法違反になるので、忘れずに出典を記載しましょう。

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