今回の記事は書籍の紹介になります。
「退屈なことはPythonにやらせよう」や「できる 仕事がはかどるpython自動処理 全部入り。」を読み始めてすぐに「日本働き方を変えることができる」と強く思いました。
病院勤めているの方々はわかっていただけると思いますが、何かと日々の集計や書類作成が多くありませんか?
それが意外に時間がかかってしまうってことも・・・
しかも、その集計を自分の仕事は忙しいからという上司・・・
っていう日々の思いもあり、Pythonの導入を考えてみました。
特に、「退屈なことはPythonにやらせよう」の原書である「AUTOMATE THE BORING STAFF WITH PYTHON」は米国で2015年に出版されたベストセラーのPython本です。現在(2019年8月)でも、Amazon.comのPythonカテゴリーで1位です。
米国でも日々の退屈な作業から解放されたいと誰もが願っていたことが分かります。そこにPythonがピッタリとはまったのです。
日本語版が出版されてから2年が経ちますが、ネットを見ればわかるように、日本でも本書を契機にPythonなら様々な作業を自動化できそうだとたくさんの人が思うようになりました。
もうプログラミングはプログラマの特権ではありません。今まで無縁だった普通の人たちがプログラミングを始めると、社会はもっと合理的になり風通しがよくなります。
今回はこの素晴らしい書籍のオススメの3つのポイントについてまとめてみました。既に購入済みの方も参考になる内容だと思いますので、ぜひご一読ください。
目次
ポイント1:自動化を幅広く網羅
本書の特徴の一つが、Pythonで出来る自動化を幅広く網羅していることです。
ファイル管理、エクセルファイルの操作、メールやSMSの送信、画像処理などから、最後には何とGUIオートメーションについてまで説明しています。
このような様々な自動化プログラミングを可能にしてくれるのが、Pythonのライブラリ群です。本書では以下の表に示すように、多様なライブラリを使用しています
自動化の内容と使用ライブラリの一覧
章 | 自動化の内容 | 使用ライブラリ |
---|---|---|
7 | 正規表現 | re、pyperclip* |
8 | ファイル読み書き | os、os.path、shelve、pprint |
9 | ファイルの管理 | shutil、Send2Trash*、zipfile |
11 | Webスクレイピング | webbrowser、Requests*、BeautifulSoup4*、Selenium* |
12 | Excelスプレッドシートの操作 | OpenPyXL* |
13 | PDFの操作 | PyPDF2* |
Word文書の操作 | python-docx* | |
14 | CSVファイルの操作 | csv |
JSONデータの操作 | json | |
16 | 電子メールの送信 | smtplib |
電子メールの受信 | IMAPClient*、pyzmail* | |
SMSの送信 | twilio* | |
17 | 画像の操作 | pillow* |
18 | GUIオートメーション | PyAutoGUI* |
※ アスタリスク*が付いているのは、PyPI からインストールできる外部ライブラリです
ポイント2:オブジェクト指向には触れていない
本書は誰もがPythonで作業を自動化できるようになることを第一に考えた書籍です。つまり、ノンプログラマーを対象としています。
ここで言うノンプログラマーは,
- プログラミング(またはPython)初心者・初学者
- プログラミングを通常業務としない方々
です.
その証の一つが、オブジェクト指向プログラミングに一切触れていないことです。
つまり、本書ではクラスを定義していません。クラスという言葉もほとんど登場しません(スクレイピングで使用する「HTMLタグのクラス属性」を除いて)。
入門書であっても本職のプログラマを目指す書籍では、当たり前のようにオブジェクト指向プログラミングを行います。しかし、Pythonはそれを強要しません。本書のように1つのファイルで完結するプログラムでは、必要になることはありません。
使わなくても十分プログラミングできます。
ポイント3:日本語版が充実している
日本語版の作成にあっては、本当に丁寧に仕事をされているのが分かります。
日本語訳がとても読みやすいばかりでなく、原書のキャメルケースを全てPython標準の小文字+アンダースコアに直してあります。
さらに、以前このサイトでも紹介しましたが、訳者の相川愛三氏による付録Dがとても面白いです。巻末なので見逃してしまいそうですがオススメです。
最後に
他人が作ったソフトだけを使っているうちは、コンピュータの本当の威力を享受できません。プログラミングができるようになって、はじめてコンピュータの恩恵を十分を得ることができます。ぜひ本書でPythonを始めてみましょう!
なお、2019年11月には原書は2nd Editionが発行されました。電子書籍で購入して早速チェックしましたが、入力検証、Googleスプレッドシート、Gmail API、の3つが追加され、さらに守備範囲が広くなりました。
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